創刊号(第1回) AIと一緒に学ぶ

AI活用支援の実務家に聞く AIと一緒に学ぶ
佐藤 雄大(ブリッジドット株式会社 代表取締役)
ブリッジドット株式会社代表取締役の佐藤雄大です。教育工学が専門。AI活用支援を本業とする実務家として、放送大学、数理・データサイエンス・AI講座のWebサイト運営にも携わっています。本ニュースレターでは、毎号1テーマで「AIを学びの相棒にする」ためのヒントをお届けします。
創刊号となる今回は、このニュースレターを始める理由と、これからお届けする内容、そして一貫したスタンスについてご紹介します。
創刊号 AIと一緒に学ぶ
わからないことを、わかるまで、何度でも聞ける相手がいる——学ぶ人にとって、これは革命的なことです。AIを「学びの相棒」にするための小さなヒントを、実務の現場からお届けします。
なぜ今「AI×学び」なのか——単位を落とし続けた私の話
白状すると、私は学生時代、プログラミングやネットワーク系の授業が大の苦手でした。大学生になって、パソコンに触り始めました。すごく遅いほうです。インターネットの使い方すらあやしく、単位のためにいやいや勉強していたのが正直なところです。それでも新卒でエンジニアとして就職し、気づけば、新しいサービスを出せるこの分野が大好きになって、今も仕事として続けています。
つまずいていた原因は、あとから振り返るとはっきりしています。「暗記」で乗り切ろうとして、「基本の考え方」を理解していなかったからです。理解できていないことを、誰にも聞けないまま抱え込んでいました。
あれから時代は変わり、今の私は毎日AIと仕事をしています。そして当時の自分に一番渡したい道具が、まさにAIだと感じています。
わからないことを、わかるまで、何度でも、恥ずかしがらずに聞ける相手がいる——これは学ぶ人にとって革命的なことです。データサイエンスやAIを学ぶみなさんにこそ、AIを「学びの相棒」にしてほしい。そして、放送大学、数理・データサイエンス・AI講座には働きながら学ぶ社会人のみなさんも多いはずです。
実務の最前線でAIがどう使われているかを、現場の実感とともにお届けしたい。そう思って、このニュースレターを始めます。
このニュースレターでお届けするもの
毎号1テーマに絞り、4つの柱でお届けします。
- 実務家の視点
毎日AIと働く実務家の使い方。仕事でのデータのため方・活かし方、AIと組み合わせた振り返り、AIエージェントとの付き合い方まで、現場のコツと心得 - 授業理解
わからない用語や概念を、AIを使って解きほぐすコツ - 学習促進
学習ペースの維持や復習に、AIを味方にする方法 - レポート・課題
AIと一緒に考えて、自分の言葉で仕上げる方法
基本スタンス——AIに書かせず、AIと一緒に考える
最初に、このニュースレターの一貫したスタンスを宣言しておきます。
私は毎日AIと働いていますが、AIは「魔法のツール」とは感じていません。先日主催したAI勉強会でも、多くの方が「AIに頼めば、製品レベルのものまで全部作ってくれるはず」と期待し、少しがっかりしていました。
実際に成果を分けたのは、AIの性能ではなく、使う側の姿勢でした。「そもそもAPI(サービス同士をつなぐ仕組み)って何だろう?」と基礎を少しでも理解しようとした人、面倒がらずに試行錯誤した人ほど、良いものを作っていたのです。
そして何より印象的だったのは、一度自分の頭で考えながら作りきった人は、次からは驚くほどすんなり作れるようになることでした。
学びも同じだと思っています。答えを書かせると、学びは残りません。だからこのニュースレターでは、2つのことをお約束します。
- AIは「考える相棒」として使う。
段取りや整理を手伝ってもらい、最後は必ず自分の言葉で仕上げる方法を紹介します - AIの答えは確かめる。
AIはもっともらしい間違いをすることがあります。教科書や原典で確かめる一手間を、毎回必ず添えます
遠回りに見えて、これがいちばん確実に力になるAIの使い方だと、自分の失敗と経験から確信しています。
次号予告
次回は「夏休み中の学習ペースを保つ——AIをリマインダーにする」をお届けします。夏の間に学習が止まりがちな方へ、今日から使えるプロンプト付きです。お楽しみに。